Yです。
ご近所さんから譲り受けた活版印刷機のその後です。
6月4日にローラーを含め、頼んでいたパーツが届きました。
早速確認してみると、品番違いのパーツやら足りないパーツがありました。
また、排紙ベルトは輪ゴムのように輪になっていて、どうやって交換したら良いのか分かりません。
メーカーさんに連絡すると、出荷ミスの件はすぐ対応してもらえる事になりました。
が、、、排紙ベルトの交換方法について聞くと、「機械を分解しなければならないので、技術者でないと無理」との事。
それならば、技術者に来てもらおうと聞くと、「大阪までの出張は無理」との事。
「それなら注文時に言ってチョーダイ」と怒りたくなりましたが、こらえました。
交換の手順を間違うと機械を壊すと脅されましたが、新品パーツを捨てるわけにもいきませんのでこちらも意地です。自分で交換する決心をしました。
機械いじりの趣味で集めた工具たちのお陰で何とか無事交換できました。
あとの部品交換は楽勝です。鼻歌まじりで交換を終えました。
仕上げに最終調整です。
まずは、インキ付けローラーと版(活字)との接触圧で、強すぎても弱すぎてもダメです。
オフセットとは調整の仕方が異なり、インキ付けローラーが転がるレールの高さを上げ下げします。低すぎると印刷しない部分にもインキが付いて用紙を汚しますし、高すぎるとインキが付きません。
版(活字)のインキの様子と刷り上りを観察しながら、左右あわせて4箇所のネジを1/8から1/16回転位の微妙な調整を根気よく繰り返します。
そして圧胴の仕立てです。
まずはメーカー標準のブランケット、白板紙、トップシートの組み合わせからテスト。
これでバッチリ印刷できるようになりました。
しかしその後、果てしない試行錯誤が始まる事をこの時は気付いていませんでした。
6月7日からは、海外のレタープレスショップで見掛けるような、インキが乗った部分に印圧を感じる印刷(Debossing)にチャレンジです。
最初、樹脂版を使っていましたが、一定以上の印圧を掛けると版が押しつぶされて書体が太ってしまいます。そこで亜鉛版に変更して再テストしてみますが、どんどん印圧を掛けていっても、イマイチの仕上がりです。
押しが足りないか、裏まで醜い凹みが出るかの両極端になってしまうのです。
そのうち、どこまで印圧を掛けて良いのか不安になってきます。
本来の活版印刷は、印圧を極力感じさせないキスタッチと言われる印刷が高品質の証とされていました。(極端な印圧は、印刷会社にとっての財産である印刷機と活字を消耗させるからという理由でもあり、海外でもDeepimpressionについては今も賛否両論分かれています。)
すなわち、紙を変形させる程の印圧での使用を、印刷機メーカーは想定していなかったはずだと考えた訳です。
そんな折、埼玉のオーナーから譲り受けた別の活版印刷機が6月9日に電気工事を終えて稼動できるようになりました。こちらの機械は箔押しと型抜きも出来る仕様ですので、印圧に関する不安はありません。そこで、こちらの機械でDebossingのテストを引き継ぐ事にしました。
そして圧胴と英語との格闘が始まるのです。
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